第48回日本動脈硬化学会総会・学術集会

会長挨拶

 私が初めて動脈硬化学会に参加して40年が経過しました。参加して間もなくの頃は、LDL受容体の発見、response to injury hypothesisの提唱、リンパ球やマクロファージの関与、動脈硬化巣の不安定化やスタチンによる安定化などが明らかにされるなど目覚ましい発見が相次ぎました。
 循環器病のなかではマイナリティーであった動脈硬化の研究を集学的に進めるべく日本動脈硬化学会を創立した先生方は皆元気がよく、学術集会では諸先輩の活発な議論や多くの海外からの講演者から刺激を受けたことを覚えています。
 脂質異常症の研究は我が国で発見されたスタチンの出現により動脈硬化性疾患の制圧につながり、血管平滑筋の増殖の研究は新たな抗血小板薬の開発とともにPCI後の再狭窄予防につながるといった具合に、動脈硬化の研究はやがて臨床的な成果に結実しました。日本でも動脈硬化性疾患予防ガイドラインは大きな影響を持つようになり、循環器病研究の中でも動脈硬化は中心的な分野の一つになりました。40年前とは隔世の感があります。
 成熟したということは一方で内向きになり伸びしろを失ってしまう危険も秘めています。メタボリックシンドロームの研究や、腸管フローラの関与など現在も活発に続いている本学会の活動が、今後もさらに発展していくことを願ってやみません。本学術集会が、参加者に学問的な刺激を与える場となることを祈っています。

第48回日本動脈硬化学会総会・学術集会
会長 下門顯太郎
(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 血流制御内科学分野)

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